能登島 耐震改修プロジェクト
- 山本寛之
- 4月1日
- 読了時間: 2分
能登島えの目町にある築90年の被災家屋の耐震プロジェクト
今回の地震では幸い倒壊は免れましたが、半壊認定を受けてしまいました。
ところどころ壁の亀裂や柱の傾斜、床の膨らみなどが目立ち、今後暮らせたとしても次の震災に耐えられるかどうかはわからない。とはいえ昔の住宅は大きく、かつ伝統工法という構造から現代の家屋とは違う知識が必要になってきます。


新幹線の新高岡から能登島に入り、えの目町まで集落をいくつか通過しましたが幹線道路はいまだに通行止めがあり遠回りが必要な箇所もたくさんありました。周辺では解体工事が進み空き地も散在してましたが街には一年経ったいまも震災の傷跡が目立ちます。
集落が多く自給自足のエリアでは復興にかける現金は手元に少なく、高齢化と無駄に大きい家屋では補助金での解体だけで手一杯なのでなかなか復興が進まない現状です。解体して空き地のままか、補修だけで現状維持して暮らすかの選択択しか見えない地元の方々に補助金を使い、かつヒートショックやバリアフリーなど高齢者への暮らしも改善し、かつ二次災害を防ぐ改修モデルのあり方を提案できたらと思います。
集落の大半を占める伝統工法住宅と相性の悪い軟弱地盤に白アリによる足元の腐りと能登瓦の重さが倒壊の主な原因だったと思います。今回の家屋はたまたまリフォームにより足回りを補強していたのと周辺より地盤がたまたまよかったからかもしれません。ただし、次の地震に耐えられるかというと極めて危ない状況であることは変わりません。
今後調査を進め、暮らしにあった耐震計画と予算計画はなんども軌道修正が必要になると思います。今回はクラシック一級建築士事務所(鎌倉市、プロジェクト統括、空間設計)、なな喜建築設計室(宮崎市、構造担当)構造事務所、黒田ハウス(金沢市、伝統工法・工務店)が知識を出し合って最適解を出していきたいと思います。


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